雇用主の義務

就業関係

労働者を使用するようになったときは、使用者は、所定の様式「適用事業報告」を2部、遅滞なく所轄労働基準監督署へ提出することになります。

また、労働者を常時10人以上使用する使用者は、就業規則を作成し、所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。

なお、使用者は、就業規則を作成する際、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければなりません。その意見は「意見書」として、「就業規則届」に就業規則とともに添付して2部を労働基準監督署に提出します。

労働保険

労働保険とは、労働者災害補償保険(一般に「労災保険」といいます。)と雇用保険とを総称した言葉であり、保険給付は両保険制度で別個に行われますが、保険料の徴収等については、一体のものとして扱われます。

労働保険は、農林水産業の一部を除き、労働者を一人でも雇っていれば、事業者は必ず加入手続を行い、労働保険料を納付しなければなりません。労働保険に加入するには、まず、「労働保険保険関係成立届」等を、所轄の労働基準監督署に提出します。そして、その年度分の労働保険料を概算保険料として申告・納付することになります。また、「保険関係成立届」「雇用保険適用事業所設置届」「雇用保険被保険者資格取得届」等を所轄の公共職業安定所に提出しなければなりません。

健康保険及び厚生年金保険

健康保険及び厚生年金保険においては、使用される人が1人以上いる法人は、強制適用事業所となりますので、事業主は加入の手続きを行わなければなりません。また、法人の有給の役員は、その法人に使用されるものとして扱います。

保険料は、被保険者の報酬の額に応じた一定の額を事業主と被保険者が半分ずつ負担します。

「新規適用届」「被保険者資格取得届」等を所轄の社会保険事務所に提出しなければなりません。